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法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準

法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準は、主として法人税、地方法人税、住民税および事業税(法人税、住民税及び事業税等)に関する会計処理および開示を定めることを目的としています(同会計基準第1項)。

範囲

法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準は、連結財務諸表および個別財務諸表における次の事項に適用されます(同会計基準第2項)。


  1. 我が国の法令に従い納付する税金のうち法人税、住民税及び事業税等に関する会計処理および開示

  2. 我が国の法令に従い納付する税金のうち受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税に関する開示

  3. 外国の法令に従い納付する税金のうち外国法人税に関する開示

なお、実務対応報告第42号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」において、グループ通算制度を適用する場合の法人税および地方法人税に係る会計処理および開示の具体的な取扱いが定められている場合、当該取扱いが適用されます(同会計基準第3項)。

適用範囲外

事業所税、特別土地保有税、消費税、固定資産税については、法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準は適用されません(同会計基準第26項)。

事業所税、特別土地保有税、固定資産税は、金額的重要性が高くないことがその理由です。

また、消費税は、日本公認会計士協会の消費税の会計処理に関するプロジェクトチームより、「消費税の会計処理について(中間報告)」が公表されており、実務上、当該報告に従って、一部の企業を除き、税抜方式で会計処理を行っている実務が浸透し ており、会計上の取扱いを明らかにする必要性が高くはないことから適用範囲外とされています。

在外子会社や在外支店等が所在地国の法令に従い納付する税金

在外子会社や在外支店等が所在地国の法令に従い納付する税金の会計 処理については、実務の判断に委ねられることから、法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準の適用範囲外です。ただし、親会社および国内子会社が外国の法令に従い納付する税金のうち外国法人税の表示については、適用範囲に含まれます(同会計基準第27項)。

用語の定義

法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準では、以下の用語の定義を定めています(同会計基準第4項)。


  1. 法人税
  2. 地方法人税
  3. 住民税
  4. 事業税
  5. 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税
  6. 外国法人税
  7. 所得
  8. 更正
  9. 修正申告

法人税

「法人税」とは、法人税法(昭和40年法律第34号)の規定に基づく税金をいいます。

地方法人税

「地方法人税」とは、地方法人税法(平成26年法律第11号)の規定に基づく税金をいいます。

住民税

「住民税」とは、地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく税金のうち、道府県民税および市町村民税をいいます。なお、道府県に関する規定は都に、市町村に関する規定は特別区に準用することとされています(地方税法第1条第2項)。

事業税

「事業税」とは、地方税法の規定に基づく税金であり、法人の行う事業に対して都道府県が課すものをいいます。事業税には、付加価値額によって課すもの(付加価値割)、資本金等の額によって課すもの(資本割)、所得によって課すもの(所得割)があります。

受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税

「受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税」とは、所得税法(昭和40年法律第33号)第174条各号に規定する利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配または賞金の支払を受ける場合に、同法の規定により課される所得税をいいます。

外国法人税

「外国法人税」とは、外国の法令により課される法人税に相当する税金で政令に定めるもの(法人税法第69条および法人税法施行令(昭和40年政令第97号)第141条)をいいます。外国法人税には、法人税法等に基づき税額控除の適用を受けるものと税額控除の適用を受けないものがあります。

所得

「所得」とは、法人税の関係法令または事業税の関係法令の規定に基づき算定した各事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額をいいます。

更正

「更正」とは、法人税、住民税及び事業税等について、提出した納税申告書に記載された課税標準または税額の計算が法令に従っていなかった場合やその他当該課税標準または税額が税務署長または地方公共団体の長の調査したところと異なる場合に、その調査により、当該納税申告書に係る課税標準または税額を変更することをいいます。

修正申告

「修正申告」とは、法人税、住民税及び事業税等について、提出した納税申告書に納付すべきものとして記載した税額に不足額がある場合や提出した納税申告書に記載した純損失の金額が過大であった場合に、当該納税申告書に記載された課税標準または税額を修正する納税申告書を税務署長または地方公共団体の長に提出することにより、提出した納税申告書に係る課税標準または税額を変更することをいいます。

なお、法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準では、更正および修正申告を「更正等」としています。