HOME > 各論 > 棚卸資産の評価に関する会計基準 >

 

トレーディング目的で保有する棚卸資産の評価基準

トレーディング目的で保有する棚卸資産については、時価をもって貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額(評価差額)は、当期の損益として処理します(棚卸資産の評価に関する会計基準第15項)。

トレーディング目的で保有する棚卸資産として分類するための留意点や保有目的の変更の処理は、金融商品に関する会計基準における売買目的有価証券に関する取扱いに準じます(同会計基準第16項)。

時価評価の理由

トレーディング目的で保有する棚卸資産を時価で評価する理由は以下の通りです(棚卸資産の評価に関する会計基準第60項)。


  1. 単に市場価格の変動により利益を得るトレーディング目的で保有する棚卸資産については、投資者にとっての有用な情報は棚卸資産の期末時点の市場価格に求められると考えられる。

  2. トレーディングを目的に保有する棚卸資産は、売買・換金に対して事業遂行上等の制約がなく、市場価格の変動にあたる評価差額が企業にとっての投資活動の成果と考えられる。

トレーディング目的で保有する棚卸資産を時価をもって貸借対照表価額とする場合、活発な取引が行われるよう整備された、購買市場と販売市場とが区別されていない単一の市場(例えば、金の取引市場)の存在が前提になります。

また、評価差額を投資活動の成果と考えることから、当該評価差額は当期の損益として処理することが適当と考えられます。