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資金の範囲

キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲は、現金及び現金同等物です。これは、貸借対照表に表示される現金及び預金と似ていますが、必ずしもその範囲が同じとなるわけではありません。

キャッシュ・フロー計算書が表示する資金の増減とは、この現金及び現金同等物の増減額となります。

現金とは

キャッシュ・フロー計算書における現金とは、手許現金、要求払預金および特定の電子決済手段をいいます(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準第1項)。

手許現金

手許現金とは、企業が自ら金庫などに保管している現金のことです。

要求払預金

要求払預金とは、預金者が一定の期間を経過しなくても引き出しが可能な預金のことで、当座預金、普通預金、通知預金が含まれます。預入期間の定めのある定期預金は、要求払預金には含まれません。

特定の電子決済手段

特定の電子決済手段とは、「資金決済に関する法律」第2条第5項第1号から第3号に規定される電子決済手段のことで、以下が該当します(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準注解(注10))。


  1. 物品を購入し、もしくは借り受け、または役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定多数の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入および売却を行うことができる財産的価値

  2. 不特定の者を相手方として上記「1」に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの(下記「3」を除く)

  3. 特定信託受益権

現金同等物とは

現金同等物とは、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資のことです。現金同等物といえるためには、容易に換金可能僅少な価値変動リスクという2つの要件を満たす必要があります。

市場で取引されている株式等は、すぐに売却できるので容易に換金可能と言えますが、相場が常に変動しているので、僅少な価値変動リスクという要件を満たさないので、現金同等物には含まれません。また、長期の定期預金も価値変動リスクが低いと言えますが、換金までの期間が長期にわたるので、容易に換金可能とは言えず、現金同等物には含まれません。

具体的に何を現金同等物に含めるかは、各企業の資金管理活動により異なるので、一概に決定することはできず、その判断は経営者に委ねられます。なお、「連結キャッシュ・フロー計算書作成基準注解(注2)」では、以下のように現金同等物の具体例を示していますが、その範囲は画一的なものではありません。

現金同等物には、例えば、取得日から満期日又は償還日までの期間が3か月以内の短期投資である定期預金、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、売戻し条件付現先、公社債投資信託が含まれる。