外貨建財務諸表の換算方法
企業活動が国際化した現代においては、海外に支店や子会社を有する企業がたくさんあります。
海外の支店や子会社の取引は現地通貨で行われるので、会計帳簿も現地通貨で作成されます。そのため、本国の本店の財務諸表を作成する場合には、在外支店の財務諸表を本邦通貨に換算する必要があります。また、連結財務諸表を作成している場合には、在外子会社の財務諸表を本邦通貨に換算して、企業グループ全体の連結財務諸表を作成しなければなりません。
在外支店の財務諸表も在外子会社の財務諸表も、本邦通貨に換算する必要がありますが、いかなる為替相場によって換算するかについては、本国主義と現地主義という考え方によって異なります。
本国主義
本国主義とは、在外事業体の経済活動は、本国の本店や親会社の指揮統制のもとに行われるので、例え会計単位が独立していたとしても、その経済的効果はすべて本国の経済主体に帰属させるべきとする考え方です。
本国主義の考え方によれば、在外事業体の財務諸表の換算は、テンポラル法で行うのが望ましいといえます。
現地主義
現地主義とは、在外事業体の経済活動は、本国の本店や親会社とは独立して行われており、その経済的効果は外貨経済圏の中で完結しているとする考え方です。現地主義によると、在外事業体の財務諸表の換算は、決算日レート法が望ましいといえます。