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個別原価計算

製品別計算は、費目別計算、部門別計算に次ぐ、第三次の計算段階であることが、原価計算基準19に記されています。

原価の製品別計算とは、原価要素を一定の製品単位に集計し、単位製品の製造原価を算定する手続をいい、原価計算における第三次の計算段階である。
製品別計算のためには、原価を集計する一定の製品単位すなわち原価単位を定める。原価単位は、これを個数、時間数、度量衡単位等をもって示し、業種の特質に応じて適当に定める。

そして、原価計算基準20では、製品別計算の種類について以下のように分類しています。

製品別計算は、経営における生産形態の種類別に対応して、これを次のような類型に区分する。
(一)単純総合原価計算
(二)等級別総合原価計算
(三)組別総合原価計算
(四)個別原価計算

個別原価計算の適用

個別原価計算は、製造指図書別に原価を計算する製品原価計算の方法です。原価計算基準31では、個別原価計算の適用について、以下のように規定しています。

個別原価計算は、種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する。
個別原価計算にあっては、特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計し、製品原価は、これを当該指図書に含まれる製品の生産完了時に算定する。
経営の目的とする製品の生産にさいしてのみでなく、自家用の建物、機械、工具等の製作又は修繕、試験研究、試作、仕損品の補修、仕損による代品の製作等にさいしても、これを特定製造指図書を発行して行なう場合は、個別原価計算の方法によってその原価を算定する。

個別原価計算では、個別の製品ごとに特定製造指図書が発行され、直接費や間接費といった製造費用は指図書番号別に集計される特徴があります。そのため、製品原価は、その指図書に含まれる製品の生産が完了した時に算定されます。

個別原価計算の形態

個別原価計算の形態を分類すると、次の4つにまとめることができます。


  1. 造船、特殊機械の製作、航空機など、個々に異なる製品の生産。
  2. 土木工事、ビル建設、配水工事など、個々に特注される工事。
  3. 数単位、数十単位、数百単位が1ロットとして生産される特定製品。
  4. 修繕、試作、仕損品の補修、試験研究など、経営目的以外の作業。

個別原価計算の手続

個別原価計算は、継続的な生産ではなく、顧客からの受注により生産計画が始まります。

わかりやすく言うと、大量生産品の製造ではなく、顧客が要望する仕様に応じて、製品を特別に製造するような場合に個別原価計算は適用されます。

受注から個別原価計算が行われるまでの基本的手続は、概ね以下の通りです。


  1. 各個別製品に対して製造指図書を発行し指図書番号を指定する
    個別原価計算では、個々の生産や作業について個別に製造指図書が発行されます。具体的な作業内容は指図書によって限定されます。

  2. 個別原価計算表の作成

  3. 直接費を個別原価計算表に記入
    直接材料費、直接労務費、直接経費の実際発生額を当該製造指図書に記入します。

  4. 製造間接費を各個別原価計算表に配賦する

単純個別原価計算と部門別個別原価計算

個別原価計算は、製造間接費の配賦について部門別計算を実施するかどうかにより、単純個別原価計算と部門別個別原価計算に分類されます。

単純個別原価計算

単純個別原価計算は、製造間接費を個別製品に配賦するにあたり、部門ではなく工場全体に一括配賦する個別原価計算の方法です。

製造間接費は、製造間接費配賦表を通じて個別製品に配賦されます。

部門別個別原価計算

部門別個別原価計算は、個別原価計算と部門別計算を結合した原価計算方法です。

製造間接費は、いったん原価部門に集計された後、配賦基準に基づいて個別製品に配賦されます。


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