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製造間接費の配賦計算

製造原価は、個々の製品と関連付けられる直接費と個々の製品と関連付けられない間接費に大きく分類できます。

そして、間接費には、間接材料費間接労務費間接経費があります。これら間接費は、製造間接費と総称されます。

製造間接費配賦の必要性

製造間接費は、直接費と異なって各種の製品に共通して発生するため、個々の製品と関連付けて認識されません。しかし、製品の製造のために消費している以上、製造間接費は製品原価に負担させなければなりません。

製造間接費を何らかの方法によって製品原価に負担させる手続を配賦といいます。

製造間接費の製品への配賦に際しては、製造間接費の発生と関連性がある基準を選択し、その基準にもとづいた原価算定をする必要があります。

製造間接費の配賦方法

製造間接費の配賦方法には、物量基準、金額基準、時間基準といった方法があります。

物量基準

物量基準には、生産高法があります。

生産高法

生産高法は、製造間接費実際発生額を総生産量で除して実際配賦率を算定し、各製造指図書の実際生産量を乗じて計算する方法です。

  • 実際配賦率=製造間接費実際発生額/総生産量
  • 製造間接費配賦額=実際配賦率×各製造指図書の実際生産量

生産高法は、製造工程が簡単でしかも1種類の製品しか生産しないような場合にのみ妥当な配賦方法です。

金額基準

金額基準には、直接材料費法と直接労務費法があります。

直接材料費法

直接材料費法は、製造間接費実際発生額を直接材料費総額で除して実際配賦率を算定し、各製造指図書の実際直接材料費を乗じて計算する方法です。

  • 実際配賦率=製造間接費実際発生額/直接材料費総額
  • 製造間接費配賦額=実際配賦率×各製造指図書の実際直接材料費

直接材料費法は、配賦基準が求めやすい利点があります。また、直接材料費が原価の大部分を占めていることを理由に採用されることがあります。

しかし、直接材料費と製造間接費の発生には、必ずしも高い相関関係があるとは言えないので、計算の簡便性以外に理論的根拠は乏しいと言えます。

直接労務費法

直接労務費法は、製造間接費実際発生額を直接労務費総額で除して実際配賦率を算定し、各製造指図書の実際直接労務費を乗じて計算する方法です。

  • 実際配賦率=製造間接費実際発生額/直接労務費総額
  • 製造間接費配賦額=実際配賦率×各製造指図書の実際直接労務費

多くの製造間接費は、時間と比例して発生することから、消費賃率が個々に大きく異ならない場合や予定賃率を使用している場合には、直接労務費の発生が時間と比例しやすく、合理的な配賦方法と言えます。

しかし、個々の賃率が大きく異なる場合や予定賃率を使用していない場合には合理性に欠けるといった欠点があります。

時間基準

時間基準には、機械時間法と直接作業時間法があります。

機械時間法

機械時間法は、機械や設備の運転時間を基準に製造間接費の配賦計算を行う方法です。

製造間接費実際発生額を総機械時間で除して実際配賦率を算定し、各製造指図書の実際機械時間を乗じて計算します。

  • 実際配賦率=製造間接費実際発生額/総機械時間
  • 製造間接費配賦額=実際配賦率×各製造指図書の実際機械時間

機械時間法は、工場での機械化が進み、機械関係の製造間接費が多額な場合に合理的な配賦基準です。

しかし、1部門で複数の機械を使用している場合、どの機械を基準にすべきかなどの問題があります。

直接作業時間法

直接作業時間法は、直接工の作業時間を基準にして製造間接費の配賦を行う方法です。

製造間接費実際発生額を総直接作業時間で除して実際配賦率を算定し、各製造指図書の直接作業時間を乗じて計算します。

  • 実際配賦率=製造間接費実際発生額/総直接作業時間
  • 製造間接費配賦額=実際配賦率×各製造指図書の実際直接作業時間

直接作業時間法は、時間と比例して発生する製造間接費の配賦基準として最も合理的と考えられます。

しかし、直接労務費法と比較して計算に手間がかかるといった欠点があります。

製造間接費配賦基準の選択

上記のように製造間接費の配賦基準は複数あり、それぞれに一長一短があります。そのため、製造間接費の配賦基準を選択する場合は、以下の諸原則に基づくことが望ましいです。

  1. 製造間接費の発生と関連性が高いこと
  2. 選択した基準以外の要因によって大きな影響を受けないこと
  3. 配賦基準の選択が経済的かつ容易であること

上記諸原則に照らすと、直接作業時間基準が最も望ましいと考えられます。ただし、機械作業が加工の主たる要素である場合には、直接作業時間基準よりも機械時間基準が望ましいと言えます。


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