材料費の計算
原価計算基準11(一)では、材料費は、実際の消費量に消費価格を乗じて計算することが規定されています。
直接材料費、補助材料費等であって、出入記録を行なう材料に関する原価は、各種の材料につき原価計算期間における実際の消費量に、その消費価格を乗じて計算する。
消費量の計算
製品の製造に消費した材料は、継続記録法(誘導法)で計算することが原則であることが、原価計算基準11(二)で規定されています。ただし、継続記録法で計算するのが困難な材料や重要性の乏しい材料は棚卸計算法(棚卸法)を適用することも認められています。
材料の実際の消費量は、原則として継続記録法によって計算する。ただし、材料であって、その消費量を継続記録法によって計算することが困難なもの又はその必要のないものについては、たな卸計算法を適用することができる。
継続記録法は、材料の消費量を帳簿記入によって把握する方法です。継続記録法は、記帳の手間はかかりますが、帳簿を見るだけで現在の材料の有高を確認できること、いつどれだけを消費したかがわかることが、利点として挙げられます。
しかし、材料の種類によっては継続記録法を適用することが困難なものがあります。また、少額な材料や質的に重要性が乏しい材料は、記帳の手間をかけることが必ずしも有益とは言えないことがあります。そのため、このような材料については、期末に実地棚卸を行って、期末有高を把握して期中の消費量を計算する棚卸計算法を適用することが認められています。
消費価格の計算
原価計算基準11(三)では、材料の消費価格は、原則として購入原価をもって計算することが規定されています。
材料の消費価格は原則として購入原価をもって計算する。
同種材料の購入原価が異なる場合、その消費価格の計算は、次のような方法による。
1 先入先出法
2 移動平均法
3 総平均法
4 後入先出法
5 個別法
材料の消費価格は、必要ある場合には、予定価格等をもって計算することができる。
同種材料の購入原価が異なる場合は、先入先出法や移動平均法などの方法により消費価格を計算します。なお、消費価格の各計算方法については以下のページを参考にしてください。
材料の消費価格は、計算の迅速性や原価管理といった目的により、予定価格等をもって計算することも認められています。
実際価格と予定価格等との間に生じた原価差異は、財務会計上適正に処理して、製品原価および損益を確定させなければなりません。また、原価差異の分析結果は、各階層の経営管理者に提供し、原価管理に役立てる必要があります。