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労務費の計算

労務費は、製品との関連で直接認識できるものを直接労務費、製品との関連で直接認識できないものを間接労務費に分類します。

さらに原価計算基準10では、直接労務費と間接労務費を以下のように分類しています。

  • 直接労務費
    直接賃金(必要ある場合には作業種類別に細分する。)

  • 間接労務費
    間接作業賃金
    間接工賃金
    手待賃金
    休業賃金
    給料
    従業員賞与手当
    退職給与引当金繰入額(退職給付費用)
    福利費(健康保険料負担金等)

直接賃金と直接工賃金

直接賃金と直接工賃金は、概ね同義ではありますが、両者は区別する必要があります。

直接工は、主に製品の製造に直接関わる作業をしますが、必ずしも直接作業だけをするわけではありません。場合によっては、直接工でも間接作業に従事する場合があります。

直接工が、直接作業に従事した時間に対して支払われる賃金は直接賃金です。しかし、直接工が、間接作業に従事した時間に対して支払われる賃金は間接作業賃金となります。

したがって、直接工賃金は、その全てが直接賃金に分類されるのではなく、作業内容に応じて直接賃金あるいは間接作業賃金に分類されなければなりません。

間接作業賃金と間接工賃金

間接作業賃金と間接工賃金も似ていますが、両者も区別しなければなりません。

間接賃金は、検査工や修繕工などの間接工に対して支払われる賃金です。通常、間接工は直接作業に従事することはありませんが、直接作業に従事した場合には、その賃金は直接賃金となります。

したがって、間接工賃金は、ほとんどが間接労務費となります。

では、間接作業賃金とはどのような場合に発生するのでしょうか。間接作業賃金は、直接工が間接作業に従事した場合に発生するものです。そのため、間接作業賃金は、直接工間接賃金と呼ぶのが妥当と言えます。