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従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引の開示

従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引、または、自社の株式を受け取ることができる権利(受給権)を付与された従業員に信託を通じて自社の株式を交付する取引を行っている場合、各期の連結財務諸表および個別財務諸表において、以下を注記します(従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い第16項)。


  1. 取引の概要
  2. 信託に残存する自社の株式(信託から従業員に交付していない株式)を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く)により株主資本に計上している自己株式について、純資産の部に自己株式として表示している旨、帳簿価額および株式数
  3. 従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引において、総額法の適用により計上された借入金の帳簿価額

なお、連結財務諸表における注記と個別財務諸表における注記の内容が同一となる場合には、個別財務諸表の注記は、連結財務諸表に当該注記がある旨の記載をもって代えることができます(同取扱い第16項なお書き)。

1株当たり情報

従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引、または、自社の株式を受け取ることができる権利(受給権)を付与された従業員に信託を通じて自社の株式を交付する取引において計上された自己株式については、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めます。また、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めます(従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い第17項)。

注記

1株当たり情報に関する注記を記載する場合には、従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引、または、自社の株式を受け取ることができる権利(受給権)を付与された従業員に信託を通じて自社の株式を交付する取引において計上された自己株式を、控除する自己株式に含めている旨ならびに期末および期中平均の自己株式の数を注記します(従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い第17項なお書き)。

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

信託の保有する株式は、潜在株式に該当しないことから、潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定にあたっては考慮しません(従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い第66項)。

1株当たり当期純利益に関する会計基準では、ワラントや転換証券あるいはストック・オプションといった、保有者が普通株式を取得できる権利もしくは普通株式への転換請求権またはこれに準ずる権利が付された証券または契約を主に潜在株式として想定していますが、信託の保有する株式は、これらに含まれないため、潜在株式として取り扱いません。

株主資本等変動計算書

従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引、または、自社の株式を受け取ることができる権利(受給権)を付与された従業員に信託を通じて自社の株式を交付する取引を行っており、かつ、連結株主資本等変動計算書または個別株主資本等変動計算書の注記事項として自己株式の種類および株式数に関する事項、ならびに配当に関する事項を記載する場合には、当該事項に併せて以下を注記します(従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い第18項)。


  1. 当期首および当期末の自己株式数に含まれる信託が保有する自社の株式数
  2. 当期に増加または減少した自己株式数に含まれる信託が取得または売却、交付した自社の株式数
  3. 配当金の総額に含まれる信託が保有する自社の株式に対する配当金額