未適用の会計基準等に関する注記
すでに公表されているものの、未だ適用されていない新しい会計基準等がある場合には、財務諸表に次の事項を注記します(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準第22-2項)。
- 新しい会計基準等の名称および概要
- 適用予定日(早期適用する場合には早期適用予定日)に関する記述
- 新しい会計基準等の適用による影響に関する記述
なお、連結財務諸表で注記を行っている場合は、個別財務諸表での注記は必要ありません。
適用予定日に関する記述
すでに公表されているものの、未だ適用されていない新しい会計基準等の適用時期について、財務諸表の作成の時点において企業が未だ経営上の判断を行っていない場合には、「適用予定日に関する記述」において、その旨を注記します(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針第12-2項)。
新しい会計基準等の適用による影響に関する記述
「新しい会計基準等の適用による影響に関する記述」について、適用の影響につき定量的に把握していない場合には、定性的な情報を注記します。なお、財務諸表の作成の時点において企業がいまだその影響について評価中であるときには、その事実を記述することで足ります(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針第12-2項また書き)。
表示および注記事項を定めた会計基準等に関しては、「新しい会計基準等の適用による影響に関する記述」は必要ありません(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準第22-2項)。
決算日後に公表された会計基準等
未適用の会計基準等に関する注記については、決算日までに新たに公表された会計基準等について注記を行いますが、決算日後に公表された会計基準等についても当該注記を行うことを妨げるものではありません。この場合は、いつの時点までに公表された会計基準等を注記の対象としたかを記載することになると考えられます(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準第68-2項なお書き)。
注記例
ここでは、収益認識に関する会計基準を例に未適用の会計基準等に関する注記例を示します。
(未適用の会計基準等)
・「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)
・「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)
(1)概要
収益認識に関する包括的な会計基準であります。収益は、次の5つのステップを適用し認識されます。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時にまたは充足するにつれて収益を認識する。
(2)適用予定日
2023年3月期の期首より適用予定であります。
(3)当該会計基準等の適用による影響
「収益認識に関する会計基準」等の適用による財務諸表に与える影響額については、当財務諸表の作成時において評価中であります。