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原価計算基準の必要性

原価計算基準の必要性については、「原価計算基準の設定について」の中で、以下のように記述されています。

原価計算に対して提起される諸目的を調整し、原価計算を制度化するため、実践規範としての原価計算基準が、設定される必要がある。

原価計算基準は、実践規範として、我が国の企業における原価計算の慣行のうちから、一般に公正妥当と認められるところを要約して設定されたものです。

「諸目的の調整」とは、企業の各種利害関係者から提起された様々な要請を調整妥協するものであり、原価計算を制度化するための規範が必要となります。その規範となるのが原価計算基準です。

原価計算基準は、企業の諸利害関係者が様々な異なる立場から従わなければならない行為基準であり、税法その他の法規も原価計算基準に従うことが要求されています。

原価計算基準の意味

原価計算基準には、法的基準、慣行基準、理論的基準の3つの意味があります。

法的基準

法的基準とは、法的枠組みの中の原価計算基準を意味します。現行の原価計算基準は、法的基準としての原価計算基準の性格を強く有しており、会社法や税法との関わりにおける企業会計原則の一環をなしています。「原価計算基準の設定について」でも「企業会計原則の一環を成し」との記述が見られます。

慣行基準

慣行基準は、法規定から離れ、実務で経常的に反復的に行われる原価計算の基準としての意味を持つ原価計算基準のことです。我が国の原価計算基準は、「一般に公正妥当と認められるところを要約して設定されたもの」であることから、慣行基準としての原価計算の性格も有しています。

理論的基準

理論的基準は、原価計算のあるべき理論の立場から見た原価計算基準です。慣行基準としての原価計算基準に近いものがありますが、経常的反復的に行われる計算制度とは別の特殊原価調査経営意思決定のための原価計算の基準設定が必要とする立場から支持されています。

現行の原価計算基準の立場

現行の我が国原価計算基準は、企業会計原則の一環を成していることから、法的基準が基本的性格であると言えます。

企業会計原則でも、注解8で「製品等の製造原価は、適正な原価計算基準に従って算定しなければならない」ことが規定されており、原価計算基準が法的基準としての性格を持っていることがうかがえます。

また、一方で原価計算基準は「一般に公正妥当と認められるところを要約して設定」されているので、慣行基準の性格も備えています。


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