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補助部門費の配賦

部門別計算では、第1次の配賦計算である部門共通費の配賦に続いて、補助部門費の製造部門への配賦が必要になります。この補助部門費の製造部門への配賦は、第2次の配賦計算です。

製品は、製造部門を通過しますが、補助部門を通過しません。そのため、補助部門費を製品原価に直接賦課することはできません。したがって、補助部門費を製品原価に負担させるためには、補助部門費を配賦という手続を通じて負担させる必要があります。

補助部門費を製造部門に配賦する目的

補助部門費を製造部門に配賦する目的は、部門別計算の主たる目的である製品原価の正確な計算原価管理にあります。

製品原価の正確な計算

補助部門は、製造部門に対して補助的な関係にある原価部門のため、製造加工が行われることはありません。そのため、補助部門費の発生と生産活動との間の因果関係を把握するのが困難です。

補助部門費を製品に直接配賦するための基準を見つけることは容易ではありませんが、製造部門は補助部門から用役の提供を受けているので、補助部門費の発生と製造部門の生産活動との間の因果関係は、製造部門での補助部門用役の利用状況を通して認識することができます。

したがって、補助部門費を製品に直接配賦する基準よりも、製造部門に配賦する基準の方が得やすいといった利点があります。

さらに製造部門は、製品の加工を行っているので、製造部門費を製品に配賦するための基準を容易に得ることができます。

いったん製造部門に配賦された補助部門費は、製造部門費の一部として各製品に配賦されることから、適切な配賦基準によって補助部門費を製造部門へ配賦することは、補助部門費の発生と合致し、製品原価の正確な計算に役立ちます。

原価管理

製造部門の活動は、補助部門の用役の提供を受けながら行われます。

そのため、製造部門の生産活動の能率を正しく測定し、製造部門の管理者の原価責任を明確にするには、補助部門の用役をどれだけ利用したかに応じて、製造部門に補助部門費を配賦することが必要になります。

補助部門費の配賦基準

補助部門費を製造部門に配賦する際の基準には、大きく区別すると、単一基準配賦法と複数基準配賦法があります。

単一基準配賦法

単一基準配賦法は、実際用役基準、設備基準、潜在的消費基準、一般的使用指標基準など、単一の配賦基準によって補助部門費を製造部門に配賦する方法です。

単一基準配賦法には以下のような問題点があります。

  1. 補助部門費発生の実態を正確に反映しない。
  2. ある部門の配賦額が、その他の関係部門の補助部門用役の消費量の影響を受ける。
  3. 補助部門で発生した固定費と変動費の区分が配賦後に不明確となる。

複数基準配賦法

複数基準配賦法は、補助部門費を固定費と変動費とに区分し、固定費は経営能力によって配賦し、変動費は実際の活動量または消費量によって配賦する方法です。

複数基準配賦法には、以下のような利点があります。

  1. 補助部門の固定費と変動費を適切な配賦基準で配賦するので、補助部門費の発生の実態を正確に反映する。
  2. ある部門の配賦額が、その他の関係部門の補助部門用役の消費量の影響を受けないので原価管理に資する。
  3. 補助部門で発生した固定費と変動費の区分が、配賦後も維持されるので、製造部門での変動予算の設定に役立つ。

補助部門費の配賦方法

原価計算基準18(二)では、補助部門費の配賦方法が規定されています。

次いで補助部門費は、直接配賦法、階梯式配賦法、相互配賦法等にしたがい、適当な配賦基準によって、これを各製造部門に配賦し、製造部門費を計算する。

補助部門費を製造部門に配賦する方法には、以下のものがあります。

  1. 直接配賦法
  2. 階梯式配賦法
  3. 相互配賦法

上記の補助部門費配賦方法は、単一基準配賦法か複数基準配賦法のいずれかの配賦基準が用いられます。

補助部門費配賦額の製造部門での取り扱いには、以下の方法が考えられます。

  1. 配賦基準に用役消費能力(経営能力)を用いる場合は固定費、用役消費量を用いる場合は変動費として取り扱う。
  2. 会計方針により、固定費または変動費として取り扱うことを決定する。

補助部門費を製品に直接配賦する方法

原価計算基準18(二)では、補助部門費を製品に直接配賦する方法も認めています。

一部の補助部門費は、必要ある場合には、これを製造部門に配賦しないで直接に製品に配賦することができる。

一部の補助部門費、例えば工場管理部門費や一般費は、製造部門に配賦するための適切な配賦基準を得難いことから、製造部門に配賦しても、製造部門の管理者は責任を負うことができません。

そのため、一部の補助部門費は、必要ある場合に製品に直接配賦することが認められています。


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