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部門に集計する原価要素の範囲

原価部門に集計する原価要素の範囲について、原価計算基準18(一)は、以下のように規定しています。

原価要素の全部又は一部は、まずこれを各製造部門および補助部門に賦課又は配賦する。この場合、部門に集計する原価要素の範囲は、製品原価の正確な計算および原価管理の必要によってこれを定める。たとえば、個別原価計算においては、製造間接費のほか、直接労務費をも製造部門に集計することがあり、総合原価計算においては、すべての製造原価要素又は加工費を製造部門に集計することがある。

個別原価計算の場合、原則として製造間接費のみを各部門に集計します。製造直接費に関しては、各製造指図書に直接賦課できるので、正確な製品原価の計算という目的からは部門別に把握する必要性はありません。

ただし、原価管理の必要性から直接労務費や全原価要素を部門に集計する場合があります。例えば、作業員の労働が機械作業中心で、直接労務費と製造間接費を区分するのが難しい場合には、製造間接費だけでなく直接労務費も製造部門に集計します。

総合原価計算の場合は、製品原価を全ての製造原価要素に基づいて計算しなければならないので、原則として全ての製造原価要素が製造部門に集計されます。ただし、計算の簡略化のために加工費のみを製造部門に集計することもあります。

各部門に集計された原価要素の区分

原価計算基準18(一)では、各部門に集計された原価要素を必要な場合、変動費と固定費、または管理可能費と管理不能費に区分することを規定しています。

各部門に集計された原価要素は、必要ある場合には、これを変動費と固定費又は管理可能費と管理不能費とに区分する。

部門別計算の目的は、製品原価の正確な計算と原価管理です。

製品原価を正確に計算するためには、製品との関係で直接認識できる原価要素は製造指図書に賦課し、製造指図書別に直接認識できない原価要素は、各部門の活動に関連して発生した全ての原価要素を部門費とするのが適切です。

一方で、原価管理を目的とすれば、原価要素のうち変動費や管理可能費を部門費とするのが適切です。

部門別計算では、製品原価の正確な計算と原価管理という2つの目的のうち、どちらを重視するかによって部門費の範囲が変わります。そのため、部門別計算を行う際は、その目的を明確にして、部門費の範囲を決定することが必要になります。

実際に部門費の範囲を決定する際は、製品原価の正確な計算を第一に考慮して部門費の範囲を定め、各部門に集計された原価要素を変動費と固定費、または管理可能費と管理不能費に区分して原価管理に役立てることになるでしょう。


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