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自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準

自己株式については、資産として扱う考えと株主資本の控除として扱う考えがあります。

自己株式を取得しただけでは当該株式は失効しませんが、自己株式の取得は実質的に出資の払い戻しであることから、会計的には資本の控除としての性格が強いと考えられていました。しかしながら、商法が「株式会社の貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書に関する規則」により自己株式を貸借対照表の資産の部に記載すべきと定めていたことから、実務上は、自己株式を資産として処理していました。

一方、商法の枠外で作成されていた連結財務諸表においては、自己株式を資本の控除としており、また、国際的な会計基準においても、自己株式は資本の控除とされていました。

これらを勘案し、平成14年(2002年)に公表された「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」では、自己株式を資本の控除とすることが適切とされました。

目的と範囲

自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準は、以下の会計処理を定めることを目的としています(同会計基準第1項)。


  1. 自己株式の取得、保有、処分(募集株式の発行等の手続による場合)および消却
  2. 資本金、準備金(資本準備金および利益準備金)の額の減少

また、同会計基準は上記の目的の範囲で適用されます(同会計基準第3項)。

用語の定義

自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準では、第4項から第6項で、以下の用語の定義を定めています。

自己株式処分差額

「自己株式処分差額」とは、自己株式の処分の対価から自己株式の帳簿価額を控除した額をいいます。

自己株式処分差益

「自己株式処分差益」とは、自己株式処分差額が正の値の場合における当該差額をいいます。

自己株式処分差損

「自己株式処分差損」とは、自己株式処分差額が負の値の場合における当該差額をいいます。