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管理会計

財務会計が企業外部の利害関係者が利用する財務諸表を研究対象にするのに対して、管理会計は、経営者が、どの方向に企業を導けば良いのかといった判断をするために有用な情報を提供することを目的としています。

企業によって異なる基準

管理会計は、企業内部の経営者向けの情報を提供することが目的なので、経営者が必要とする情報であれば、貨幣額で計測した情報だけでなく、数量、長さ、重さといった尺度で表される情報も対象となります。

例えば、工場で製品を製造している場合、どれだけの重量の原材料を投入して、どれだけの重量の製品が出来上がったのかといった情報は、重さを単位とした情報になります。液体を原料としているのであればリットルなどの単位が使われますし、織物であればメートルなどの長さの単位が使われます。

このように各企業で異なる情報が利用されるのは、企業によって、異なる目的があるからで、経営者は企業が進むべき方向を決定するために会計情報を利用します。

過去情報だけでなく未来情報も扱う

財務会計は、ある時点での財産の状況や一定期間に獲得した利益の情報など、過去情報を対象としています。これに対して管理会計は、過去情報だけでなく未来情報も対象とします。

例えば、企業が、2つの製品のうち1つだけを製造するといった選択をしなければならない場合、どちらの製品を製造した方が、より多くの利益を獲得することができるかといった予測をしたとしましょう。この予測を行うためには、将来、どれだけの材料が必要となり、どれだけの人件費がかかり、そして、どれだけ売れるのかといった情報が必要となります。管理会計では、こういった未来の予測に役立つ情報も研究対象となります。

もちろん過去に製造した製品にどれだけの費用がかかり、それらがどれだけ販売できたのかといった過去情報も管理会計の対象となります。また、これらの過去情報は、財務諸表にも記載されることになるので、管理会計上の過去情報は、財務会計の研究対象ともなります。

まとめ

管理会計は、各企業の経営者の意思決定に役立つ情報を提供するものです。そのため、情報作成の基準は各企業で異なっていても問題ありません。また、扱う情報は過去情報から未来情報まで、経営者の意思決定に必要ならどのような情報でも利用されます。

なお、会計学は、財務会計が基礎となっているため、当サイトでは、管理会計の解説は行わず、財務会計のみを扱います。