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期間損益計算

企業会計では、企業が、一定期間にどれだけの利益を獲得したのかを計算する期間損益計算が目的となっています。

なぜ、期間損益計算が目的となっているのでしょうか。

期間損益計算の必要性

昔の企業の場合、ある特定の目的を達成した時に清算され、財産は資金を貸し付けた債権者に利息とともに返済され、出資者には、従業員の給料、取引先に対する債務の支払いが済んだ後の残余財産が分配されました。

また、事業を一定期間、例えば3年間など、行った結果、企業財産が分配されるといったこともありました。

このように昔は、企業の経営活動のゴールがあらかじめ決められていたため、ゴールに到着した後に利益の分配が行われていました。しかし、事業が軌道に乗って、あらかじめ決めたゴールに到着した後も、なお事業を継続することができる状況にある場合、その企業を清算してしまうのはもったいないことです。出資者にしてみれば、このまま事業を継続した方がもっと多くの利益を獲得できるわけですから、今清算するよりも、うま味があります。

例えば、3人の出資者が100万円ずつ出し合って300万円分の商品を仕入れ、すべて販売して600万円を得た後、200万円ずつ分配して解散したとしましょう。もしも、これ以上商品を販売できないと判断したなら、この時点で解散することは良い判断です。しかし、600万円でさらに商品を仕入れ、1,200万円で販売できるのなら、解散しない方が、3人の出資者にとっては良いことですよね。

つまり、事業がまだ継続できる場合には、解散して出資者に企業財産を清算するよりも、再投資を繰り返した方が出資者にとって良い選択となるわけです。

しかし、事業が継続されている限り、企業は解散しないので、出資者は自分が企業に出資したお金をいつまでも回収できなくなってしまいます。事業が10年続けば、10年間出資したお金を回収できません。事業が20年続けば出資の回収は20年後になります。もしも、100年続く企業に育った場合には、出資者は生きている間に出資したお金を回収できなくなるでしょう。

このように事業が継続すれば継続するほど、企業財産は増加していきますが、その反面、出資者はいつまで経っても出資したお金を回収できないという状況になってしまいます。そこで、期間損益計算という概念が登場するわけです。

期間損益計算の役割

期間損益計算は、3ヶ月、6ヶ月、1年などの期間を人為的に定め、その期間に企業がどれだけの利益を獲得したのかを計算することです。人為的に定めた期間は一会計期間と呼ばれ、出資者は、企業が一会計期間に獲得した利益を配当という形で受け取り、出資したお金を回収することができます。

また、企業が獲得した利益の一部は、国や地方自治体に税金として納められますが、解散するまで利益が確定しないのでは、国や地方自治体は、いつになったら税金を受け取ることができるのかわかりません。でも、期間損益計算が行われていれば、6ヶ月や1年など一会計期間にどれだけの利益を獲得したのか把握できるので、一会計期間に獲得した利益に課税することで、税収を安定させることができます。

このように期間損益計算は、出資者の出資の回収だけでなく、国や地方自治体に納められる税金の計算にも役立てられます。そして、税金は社会への富の再配分に利用されます。期間損益計算は現代社会において、こういった役割も担っているのです。


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