普通株式だけを発行している場合の1株当たり当期純利益の計算
ここでは、普通株式だけを発行している場合の1株当たり当期純利益の計算について、具体例を用いて解説します。
前提条件
- 甲社(3月決算会社)は、普通株式のみを発行しています。
- x1年4月1日時点の発行済株式数は2,000,000株です。
- 甲社は、当期に以下のように新株を発行しています。
x1年9月1日に600,000株を発行
x2年2月1日に200,000株を発行 - 期中平均自己株式数は180,822株です。
- 損益計算書上の当期純利益は115,170,000円です。
1株当たり当期純利益の計算
普通株式の期中平均発行済株式数の計算
当期の普通株式の発行済株式数の推移は以下の通りです。
- x1年4月1日からx1年8月31日までの153日間の発行済株式数は2,000,000株
- x1年9月1日からx2年1月31日までの153日間の発行済株式数は2,600,000株(2,000,000株+600,000株)
- x2年2月1日からx2年3月31日までの59日間の発行済株式数は2,800,000株(2,600,000株+800,000株)
以上の普通株式の発行済株式数の推移から、普通株式の期中平均発行済株式数は2,380,822株になります。
- x1年4月1日からx1年8月31日まで
=2,000,000株×153日/365日
=838,356株 - x1年9月1日からx2年1月31日まで
=2,600,000株×153日/365日
=1,089,863株 - x2年2月1日からx2年3月31日まで
=2,800,000株×59日/365日
=452,603株 - 普通株式の期中平均発行済株式数
=838,356株+1,089,863株+452,603株
=2,380,822株
以上の計算を表にすると以下のようになります。
普通株式の期中平均株式数の計算
普通株式の期中平均株式数は、普通株式の期中平均発行済株式数から普通株式の期中平均自己株式数を差し引いて計算します。
- 普通株式の期中平均株式数
=2,380,822株-180,822株
=2,200,000株
1株当たり当期純利益の計算
当期純利益を普通株式の期中平均株式数で除して1株当たり当期純利益を計算します。
- 1株当たり当期純利益
=115,170,000円/2,200,000株
=52.35円
よって、1株当たり当期純利益は52.35円になります。