HOME > 各論 > 減損会計 > 減損会計における将来キャッシュ・フローの見積り >

 

主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超え、構成資産の経済的残存使用年数が主要な資産の経済的残存使用年数より長い場合の割引前将来キャッシュ・フローの総額の見積り

ここでは、主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超え、構成資産の経済的残存使用年数が主要な資産の経済的残存使用年数より長い場合の割引前将来キャッシュ・フローの総額の見積りについて、具体例を用いて解説します。

前提条件


  1. 甲社の資産グループAに減損の兆候が見られたので、減損損失の認識の判定を行うことにしました。

  2. 資産グループAは、主要な資産Xと構成資産Yからなります。

  3. 主要な資産Xの経済的残存使用年数は25年です。

  4. 構成資産Yの経済的残存使用年数は30年です。

  5. 今後20年間の割引前将来キャッシュ・フローの合計額は2,000と見積っています。

  6. 資産グループAの21年経過時点以降の割引前将来キャッシュ・フローは以下のように見積もられています。
    21年=50
    22年=50
    23年=50
    24年=50
    25年=50

  7. 主要な資産Xの25年経過時点の正味売却価額は60と見積もっています。

  8. 構成資産Yの25年経過時点の回収可能価額は20と見積もっています。

  9. 甲社が用いる割引率は3%です。3%の複利現価係数は以下の通りです。
    1年=0.9709
    2年=0.9426
    3年=0.9151
    4年=0.8885
    5年=0.8626

割引前将来キャッシュ・フローの計算

資産グループAの主要な資産Xと構成資産Yの経済的残存使用年数を図示すると以下のようになります。

資産グループAの経済的残存使用年数

構成資産Yの経済的残存使用年数30年は、主要な資産Xの経済的残存使用年数25年を超えています。

この場合、主要な資産の経済的残存使用年数経過時点における当該構成資産の回収可能価額を、21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに加算します(固定資産の減損に係る会計基準の適用指針第18項(4))。

また、主要な資産Xの経済的残存使用年数が20年を超えているので、21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに基づいて算定された20年経過時点における回収可能価額を、20年目までの割引前将来キャッシュ・フローに加算します(同適用指針第18項(2))。

20年目までの割引前将来キャッシュ・フロー

20年目までの主要な資産Xの割引前将来キャッシュ・フローは、2,000です。

21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フロー

21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローは、以下の合計額です。


  1. 21~25年までの割引前将来キャッシュ・フローの合計額300(毎期50)
  2. 25年経過時点の主要な資産Xの正味売却価額60
  3. 25年経過後の構成資産Yの回収可能価額20

21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローについては、20年経過時点まで割引き、回収可能価額を計算します。

よって、21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに基づいて算定された20年経過時点における回収可能価額は、以下の計算より298になります。

21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに基づいて算定された20年経過時点における回収可能価額

なお、毎期のキャッシュ・フローに複利現価係数を乗じて、回収可能価額を計算することもできます。

複利現価係数を使った回収可能価額の計算

割引前将来キャッシュ・フローの総額

減損損失の認識の判定に使用する割引前将来キャッシュ・フローの総額は、20年目までの割引前将来キャッシュ・フローに21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに基づいて算定された20年経過時点における回収可能価額を加算して求めます。


  • 割引前将来キャッシュ・フローの総額
    =2,000+298=2,298

よって、割引前将来キャッシュ・フローの総額2,298が、資産グループAの帳簿価額を下回っている場合には、減損損失を認識しなければなりません。


PR

電子契約を始めるならfreeeサイン
税理士ドットコムで最適な税理士選び