加重平均資本コストの計算例
ここでは、加重平均資本コストの計算方法について、具体例を用いて解説します。
計算の前提
甲社では、新たな設備投資を計画しています。
設備投資には20,000,000円必要です。そして、資金の調達源泉は以下の通りです。
- 借入金:40,000,000円、資本コスト=4%
- 社債:60,000,000円、資本コスト=3%
- 資本金:50,000,000円、資本コスト=5%
設備投資案が有利か不利かを判定するため、その指標とする加重平均資本コストを計算することにしました。
資本合計額の計算
加重平均資本コストは、以下の計算式で求めます。
- 加重平均資本コスト
=各資金調達源泉の資本コスト金額の合計額/資本合計額×100%
上の式の資本合計額は、資金調達源泉の合計額です。本事例では、借入金、社債、資本金の合計額となります。
- 資本合計額
=40,000,000円+60,000,000円+50,000,000円
=150,000,000円
資本コスト金額の合計額
資本コスト金額は、各資金調達源泉の金額に資本コストを乗じた金額です。
- 借入金=40,000,000円×4%=1,600,000円
- 社債=60,000,000円×3%=1,800,000円
- 資本金=50,000,000円×5%=2,500,000円
- 合計=5,900,000円
加重平均資本コスト
以上より、加重平均資本コストは3.9333%になります。
- 加重平均資本コスト
=5,900,000円/150,000,000円×100%
=3.9333%
別解
加重平均資本コストは、資本合計額に占める各資金調達源泉の比率を求め、それを資本コストに乗じた値の合計としても計算できます。
各資金調達源泉の比率
- 借入金=40,000,000円/150,000,000円=0.2667
- 社債=60,000,000円/150,000,000円=0.4000
- 資本金=50,000,000円/150,000,000円=0.3333
加重平均資本コスト
- 借入金=4%×0.2667=1.0668%
- 社債=3%×0.4000=1.2000%
- 資本金=5%×0.3333=1.6665%
したがって、加重平均資本コストは、3.9333%になります。
- 加重平均資本コスト
=1.0668%+1.2000%+1.6665%=3.9333%