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無形固定資産の費用配分

無形固定資産は、費用性資産なので、その取得原価を一定の方法で各会計期間に費用配分することになります。なお、無形固定資産の費用配分方法は、償却といいます。

法律上の権利の償却

特許権、著作権、商標権などの法律上の権利は、法律で保護される期間にわたって、毎期一定の方法で償却を行います。

法律上の権利の償却は、残存価額ゼロ、法律で保護される期間に渡って定額法で行います。他にも級数法による償却も可能ですが、残存価額ゼロで償却するため定率法での償却はできません。

なお、法律上の権利には、借地権などの非償却性資産もあり、これらについては償却を行わず、貸借対照表に取得原価で計上され続けます。

営業権(のれん)の償却

営業権(のれん)については、償却をするべきとする考え方と償却は不要とする考え方があります。

償却をするべきという考え方

超過収益力は、競合他社との市場での競争を通じて徐々に減っていくものなので、それに応じて営業権も償却するのが妥当と考えられます。また、営業権は実体のない資産なので、これを長期間にわたって貸借対照表に計上し続けるのは、債権者が換金可能な資産が存在するという誤った判断をする危険性があるので、債権者保護の観点から速やかな償却が求められます。こういった考え方は、保守主義の観点からも支持されます。

償却を不要とする考え方

企業の超過収益力は、広告宣伝活動、研究開発などの支出によって維持されます。これらの支出を費用として計上しているのに営業権の償却を行うのは、費用の二重計上となるので、償却は不要と考えられます。

償却方法

営業権を償却するべきという考え方にたった場合、その償却方法が問題となります。

この場合、法律上の権利と同様に残存価額をゼロとし、定額法や級数法などで償却計算することになります。ここで重要なのが、償却期間の決定です。

営業権は、その企業が有する超過収益力を意味するので、その効果が及ぶ期間にわたって償却するのが、あるべき会計処理といえます。しかし、超過収益力の継続期間がどれくらいなのかを見積もるのは困難であり、また、経営者の裁量が働きやすいといった問題があります。そのため、営業権の償却については、各種会計基準や法令によって定められた期間に渡って行うことになります。

なお、営業権の償却には、毎期末に営業権を再評価し、取得原価(帳簿価額)との差額を費用計上するという方法も考えられます。しかし、この方法も、期末の評価額の決定に経営者の裁量が介入する余地が多分にあるという問題点が指摘されます。


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