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繰延資産の種類

繰延資産は、効果が将来にわたって発現することが期待される場合に貸借対照表に計上することが認められます。しかし、繰延資産は、換金することができないため、その資産計上については、会計基準や法令で定めたものに限定されることがあります。我が国においても、繰延資産として貸借対照表への計上が認められる支出は、時代によって変化しています。時代によって貸借対照表に計上することが認められる繰延資産は異なりますが、創立費、開業費、株式交付費、社債発行費、開発費は、いつの時代でも貸借対照表への計上が認められる傾向にあります。

創立費

創立費は、会社の設立に要する支出で、その帰属が会社にあるものをいいます。具体的には、定款(ていかん)や諸規則の作成費用、株式の募集費用、会社設立に要した人件費、金融機関に支払う手数料、登録免許税などが該当します。

会社が収益を得るためには、まず会社が設立されなければなりません。そのため、創立費は、会社が将来収益を獲得するために必要な支出と考えられるので、その効果が将来にわたって発現することが期待できる繰延資産に該当します。

なお、創立費の取得原価は、上記の会社設立に要する支出の合計額となります。

開業費

開業費は、会社設立から営業開始までに支出した開業準備費のことです。具体的には、土地や建物の賃借料、広告宣伝費、通信交通費、事務用消耗品費、使用人の人件費、水道光熱費など、開業準備に要した支出が該当します。

開業費も創立費と同じく、将来の収益獲得に貢献すると期待される支出であるため、繰延資産として貸借対照表への計上が認められます。

なお、開業費の取得原価は、上記の開業準備に要した支出の合計額となります。

株式交付費

株式交付費は、新株の発行や自己株式の処分にかかる費用のことです。具体的には、株式募集のための広告費、金融機関に支払う手数料、登録免許税など株式の交付のために直接要した支出が該当します。

新株を発行し、新たに資金を調達すると、その資金で工場や店舗の拡張、機械の購入などの投資が行われ、将来の収益獲得に貢献します。その資金調達に要する株式交付費は、将来の効果の発現が期待される支出といえるので、繰延資産として貸借対照表への計上が認められます。

なお、株式交付費の取得原価は、新株発行や自己株式の処分に要した支出の合計額となります。

社債発行費

社債発行費は、社債の発行に要した支出のことです。具体的には、社債募集のための広告費、金融機関に支払う手数料、登録免許税など、社債発行に直接要した支出が該当します。

社債も株式交付費と同様に新たに調達した資金で投資が行われ、将来の収益獲得に貢献すると期待できるので、繰延資産として貸借対照表への計上が認められます。

なお、社債発行費の取得原価は、社債発行に要した支出の合計額となります。

開発費

開発費は、新技術または新経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓などのために支出した費用のことで、生産能率の向上や生産計画の変更により、設備の大規模な配置換えを行った場合などの費用のことです。

これらの支出の合計額が、開発費の取得原価となります。

開発費の支出によって将来の収益の増加や費用の削減が期待できるので、貸借対照表に資産として計上することが認められます。

研究開発費

開発費と似たような名称の支出に研究開発費があります。「研究開発費等に係る会計基準」では、研究は「新しい知識の発見を目的とした計画的な調査及び探究」をいい、開発は「新しい製品・サービス・生産方法(以下、「製品等」という)についての計画若しくは設計又は既存の製品等を著しく改良するための計画若しくは設計として、研究の成果その他の知識を具体化すること」をいうとされています。

研究開発費も、成功すれば、将来の収益獲得に貢献するので、将来にわたって効果が発現する支出として貸借対照表への計上を認めても良さそうです。しかし、研究開発費の支出時には、それが成功するかどうか不明であり、将来の収益を獲得できるかどうかわからないため、資産計上するのは適当とは言えません。

そのため研究開発費は繰延資産とは認められず、発生時に費用として処理されます。


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