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返金が不要な契約における取引開始日の顧客からの支払

ゴルフ教室、フィットネスクラブ、英会話教室など、企業が、契約時に顧客から返金不要な入会金を受け取る場合があります。

契約における取引開始日またはその前後に、顧客から返金が不要な支払を受ける場合には、履行義務を識別するために、当該支払が約束した財またはサービスの移転を生じさせるものか、あるいは将来の財またはサービスの移転に対するものかどうかを判断しなければなりません(収益認識に関する会計基準の適用指針第57項)。

財またはサービスの移転を生じさせない場合

返金が不要な顧客からの支払が、約束した財またはサービスの移転を生じさせるものでない場合には、将来の財またはサービスの移転を生じさせるものとして、当該将来の財またはサービスを提供する時に収益を認識します。ただし、契約更新オプションを顧客に付与する場合において、当該オプションが重要な権利を顧客に提供するものに該当するときは、当該支払について、契約更新される期間を考慮して収益を認識します(収益認識に関する会計基準の適用指針第58項)。

財またはサービスの移転を生じさせる場合

返金が不要な顧客からの支払が、約束した財またはサービスの移転を生じさせるものである場合には、当該財またはサービスの移転を独立した履行義務として処理するかどうかを判断します(収益認識に関する会計基準の適用指針第59項)。



契約締結活動または契約管理活動に充当する場合

契約締結活動(例えば、契約のセットアップに関する活動)または契約管理活動で発生するコストの一部に充当するために、返金が不要な支払を顧客に要求する場合があります。

収益認識に関する会計基準の適用指針第4項では、契約を履行するための活動は、当該活動により財またはサービスが顧客に移転する場合を除き、履行義務ではないとしています。例えば、サービスを提供する企業が契約管理活動を行う場合には、当該活動によりサービスが顧客に移転しないため、当該活動は履行義務ではありません。

したがって、顧客から返金が不要な支払を受け、契約締結活動や契約管理活動で発生するコストの一部に充当する場合は履行義務とはならず、履行義務の充足に係る進捗度をコストに基づくインプット法により見積るにあたっては、当該活動および関連するコストの影響を除く必要があります(同適用指針第60項)。