他社ポイントが自社ポイントに交換された場合の会計処理
ここでは、他社ポイントが自社ポイントに交換された場合の会計処理について、具体例を用いて解説します。
前提条件
- 甲社(3月決算会社)は、甲社が運営する店舗で顧客が買い物をするたびにポイントを付与しています。ポイントの付与率は100円につき1ポイントです。顧客は、次回以降の買い物の際にポイントを使用することができ、1ポイント当たり1円の値引きを受けられます。
- 甲社は、デパートを運営するT社と提携し、顧客が獲得したポイントを相互交換できるようにしています。ポイントの交換単位は、甲社ポイント100ポイントに対してT社ポイント100ポイント(100円相当)です。なお、甲社ポイントは、T社のデパートでは使用できません。また、T社ポイントも甲社の店舗では使用できません。
- 甲社が発行するポイントは、契約を締結しなければ顧客が受け取れない重要な権利を顧客に提供するものであるため、甲社は、顧客へのポイントの付与により履行義務が生じると結論づけました(収益認識に関する会計基準の適用指針第48項)。
- 甲社が発行するポイントの有効期限は、ポイントを付与した日の3年後の月末です。なお、ポイントの失効率は3%と見積もっています。
- x1年7月2日に顧客がT社ポイント100ポイント(100円相当)を甲社ポイント100ポイント(100円相当)に交換しました。
- x1年8月31日に甲社は、T社から100円の支払いを受けました。
会計処理
x1年7月2日
T社ポイント100ポイント(100円相当)が甲社ポイント100ポイント(100円相当)に交換されたので、契約負債を認識します。
x1年8月31日
T社から100円の支払いを受けたので未収入金の消滅を認識します。
共通ポイントの会計処理
仮に甲社が共通ポイント・プログラムを運営していた場合、ポイント交換の会計処理は以下のようになります。
消費税の会計処理は、ポイント交換が課税対象外取引(不課税取引)となる場合は上記と同じです。
ポイント交換が課税取引となる場合の会計処理は以下の通りです。なお、消費税率は10%とします。