HOME > 各論 > 収益認識会計基準 >

 

ポイント、マイルの会計処理

顧客が、店舗で買い物をした場合にポイントが付与されることがあります。ポイントは、次回以降の買い物の際に値引きを受けられたり、一定数のポイントを貯めると景品と交換できたりと、顧客に様々な便益を提供します。

また、航空券を購入して航空機に搭乗した場合にマイレージ(マイル)が貯まるサービスを提供している航空会社もあります。マイルは、一定数貯まると特典航空券と交換できるなどの便益を顧客に提供するもので、ポイントと同じような性格を有しています。

収益認識に関する会計基準の適用指針第48項では、顧客との契約において、既存の契約に加えて追加の財またはサービスを取得するオプションを顧客に付与する場合、以下の2つの要件を満たすと履行義務が生じると定めています。


  1. 顧客は、契約を締結しなければオプションを受け取れない
  2. オプションは顧客に重要な権利を提供する

企業が顧客に提供するオプションやマイルが、上記の要件を満たした場合は、別個の履行義務として識別しなければなりません。

自社ポイントの取り扱い

企業が自社ポイントを発行しており、上記2つの要件を満たしている場合には、 取引価格を顧客が購入した商品(サービス)とポイントに配分します。

取引価格の配分は、顧客が購入した商品とポイントの独立販売価格の比率に基づいて行います(収益認識に関する会計基準第68項)。また、ポイントについては契約負債を認識します。なお、ポイントの独立販売価格は、ポイントが行使される可能性を考慮して見積らなければなりません(同会計基準の適用指針第50項)。



ポイントやマイルが「重要な権利」と判断されなかった場合

企業が顧客に付与したポイントやマイルが重要な権利と判断されなかった場合には、そのポイントやマイルについて履行義務は識別されません

そのため、取引価格はポイントやマイルに配分せず、顧客から受け取った対価の全額を収益として認識します。



ポイント引当金

重要な権利と判断されなかったポイントやマイルについては、企業会計原則注解(注18)の引当金の要件を満たす場合には、ポイント引当金を計上します。

顧客が会員登録した時に付与するポイント、来店しただけで付与するポイントなどのいわゆるアクションポイントについては、「追加の財またはサービスを取得するオプションの付与」には該当せず、また、顧客から対価を受け取っていないことから契約負債の定義にも該当しないため、収益認識に関する会計基準の適用対象とはなりません。顧客の誕生日に自動的に付与するポイントも同様です。これらアクションポイントなどについても、ポイント引当金を計上するかどうか検討しなければなりません。



ポイントの使用時

顧客が次回の買い物でポイントを使用し、値引きを受けた場合には、契約負債を取り崩し収益を認識します。



ポイントを自社発行商品券と交換した場合

一定数のポイントを貯めると自社発行商品券と交換できる場合、企業は、まだ財またはサービスを移転する義務を負っているため、履行義務を充足していません。したがって、ポイントから自社発行商品券に交換した後も、当該履行義務について引き続き契約負債を認識しなければなりません。



販促品等と交換した場合

ポイントを限定グッズなどの販促品と交換した場合、当該販促品が、企業の通常の営業活動により生じたアウトプットである財またはサービス(収益認識に関する会計基準第6項)、すなわち企業の主たる営業品目に該当すれば、顧客がポイントを使用し、企業が顧客に販促品を移転した時に収益を認識します。



一方、販促品等が、企業の通常の営業活動により生じたアウトプットである財またはサービスではない場合、収益認識に関する会計基準は適用されません。この場合には、ポイントと交換した販促品等については、販売促進費など販売費および一般管理費として処理します。企業会計原則注解(注18)の要件を満たす場合には、ポイント引当金を計上しなければなりません。

ポイントやマイルが消滅した場合

ポイントやマイルについて契約負債を計上した場合、有効期限の到来などで使用されず失効したポイントやマイルについては、契約負債を取り崩し収益を認識します。



他社ポイント・共通ポイントの取り扱い

顧客が買い物をしたときに自社発行ポイントではなく、他社が発行したポイント(他社ポイント)を付与する場合があります。

複数の加盟店でポイントを使用できる共通ポイントも他社ポイントの一種です。

他社ポイントが「重要な権利」と判断されなかった場合

顧客に付与した他社ポイントが重要な権利と判断されなかった場合には、履行義務は識別されません。

商品の販売時に顧客から受け取った代金に含まれる他社ポイント相当分については、加盟店にポイントを購入する義務がなくポイントを支配していないと考えられる場合には、ポイント相当分に対する対価は第三者のために回収する額(収益認識に関する会計基準第47項)に該当するため、当該金額を除外した額を収益として認識します。



加盟店が代理人に該当する場合

加盟店が顧客に他社ポイントを付与する場合、加盟店と顧客との約束が、ポイント発行企業から顧客にポイントが提供されるように加盟店が手配することであれば、加盟店は本人と代理人の区分の定め(収益認識に関する会計基準の適用指針第40項)により、代理人となります。

したがって、この場合、顧客に他社ポイントを付与した時点で、加盟店は代理人として受け取る手数料を純額で認識します。



顧客が他社ポイントを使って買い物をした場合

顧客が、他社ポイントを使って買い物をした場合、加盟店はポイント発行企業に対して、ポイント相当分の支払いを受ける権利を獲得するので債権を認識します。



自社ポイントと他社ポイントが交換された場合

自社発行のポイントやマイルが、他社発行のポイントやマイルに交換できる場合があります。

自社ポイントが他社ポイントに交換された場合は、契約負債の消滅を認識し、他社ポイントの発行企業に対する債務を認識します。



一方、他社ポイントが自社ポイントに交換された場合は、他社ポイントの発行企業に対する債権を認識するとともに契約負債を認識します。



PR

電子契約を始めるならfreeeサイン
税理士ドットコムで最適な税理士選び