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価格の引き下げの会計処理

ここでは、価格の引き下げの会計処理について、具体例を用いて解説します。

前提条件

  1. 甲社は、x1年10月1日に乙社(顧客)とA製品を販売する契約を締結しました。A製品の販売個数は300個、価格は50千円/個です。

  2. 乙社は販売業者で、甲社への代金の支払いはA製品を最終顧客に販売する時点までに行われます。通常、乙社は、A製品を取得してから60日以内に最終顧客に販売します。なお、A製品の支配はx1年10月1日に乙社に移転します。

  3. 甲社は、A製品の流通を促進するため、乙社に対して価格の引き下げを見込んでいます。したがって、この契約の対価は変動対価となります。

  4. 甲社は、これまでA製品と類似のB製品を乙社に販売してきており、10%の価格引き下げを行ってきた観察可能なデータがあります。甲社は、現在の市場環境から、A製品の価格引き下げも10%で十分であると判断しました。なお、乙社に対しては、これまでに10%を大きく超える価格引き下げを行ったことはありません。

  5. 甲社は、期待値による方法を使用して、単価を10%引きの45千円とし、取引価格を13,500千円と見積もりました。

  6. 甲社は、変動対価の額に関する不確実性が事後的に解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高いと判断し、変動対価の見積額13,500千円を取引価格に含めることができると判断しました。

会計処理

x1年10月1日

甲社は、x1年10月1日に13,500千円の収益を認識します。

x1年10月1日の会計処理