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財またはサービスに対する保証

企業は、販売した製品に欠陥があった場合、一定の条件のもとに無償で修理などを行うことを保証します。このように約束した財またはサービスに対する保証が、当該財またはサービスが合意された仕様に従っているという保証のみである場合、当該保証について、企業会計原則注解(注18)に定めた引当金として処理します(収益認識に関する会計基準の適用指針第34項)。具体的には、製品保証引当金を計上することになります。

保証サービスの取り扱い

約束した財またはサービスに対する保証またはその一部が、当該財またはサービスが合意された仕様に従っているという保証に加えて、顧客にサービスを提供する保証(保証サービス)を含む場合には、保証サービスは履行義務であり、取引価格を財またはサービスおよび当該保証サービスに配分しなければなりません(収益認識に関する会計基準の適用指針第35項)。

例えば、家電量販店が、販売した洗濯機に対して、メーカーの1年間の無償保証期間が過ぎた後も、無償保証期間を5年延長するサービスを提供している場合は、延長分は履行義務となり、洗濯機と当該保証サービスに取引価格を配分することになります。

保証と保証サービスを含む場合

財またはサービスに対する保証が、当該財またはサービスが合意された仕様にしたがっているという保証と保証サービスの両方を含む場合で、それぞれを区分して合理的に処理できないときには、両方を一括して単一の履行義務として処理し、取引価格の一部を当該履行義務に配分します(収益認識に関する会計基準の適用指針第36項)。

保証に加えて、保証サービスを含むかどうかを判断するにあたっては、例えば、以下の要因を考慮しなければなりません(同適用指針第37項)。


  1. 財またはサービスに対する保証が法律で要求されているかどうか
  2. 財またはサービスに対する保証の対象となる期間の長さ
  3. 企業が履行を約束している作業の内容

「1」の場合は、当該法律は、通常、欠陥のある財またはサービスを購入するリスクから顧客を保護するために存在するものなので、当該保証は履行義務となりません。

「2」は、保証の対象となる期間が長いほど、保証サービスを顧客に提供している場合が多く、当該保証サービスは、履行義務となります。

「3」は、欠陥のある商品または製品に係る返品の配送サービス等、特定の作業を行う必要がある場合には、当該作業は、通常、履行義務を生じさせません。



保証を単独で購入するオプション

顧客が、財またはサービスに対する保証を単独で購入するオプションを有している場合には、当該保証は別個のサービスとなるので、履行義務として識別し、取引価格の一部を当該履行義務に配分しなければなりません(収益認識に関する会計基準の適用指針第38項)。

例えば、家電量販店で製品の販売価格の5%のオプション料を顧客が支払うと、メーカー保証と同様の内容の無償修理保証を1年から5年に延長できるといったサービスが該当します。